"The Midnight Library" by Matt Haig

『The Midnight Library』のカバーアート
著者: Matt Haig
ナレーター: Carey Mulligan
再生時間: 8 時間 49 分
完全版 オーディオブック
配信日: 2020/08/13
言語: 英語
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goodreads.com でベストフィクションに選ばれていたので期待して聴いてみました。
結果→良さがよくわからなかった…。もう一度聴けばわかるのかな。

主人公のノーラは何もかもうまく行かなくなり、自ら死を選ぶ。するとMidnight Libraryという生と死の間にある不思議な場所で司書に出会う。この司書は世界はパラレルワールドで、この図書館にはのノーラが過去に違った選択をしていた場合の人生の本が無数にありいくつかを体験させてくれるという。
実際にノーラは「あの時こうしていたらこうなっていた」人生をいくつか体験する。オリンピックメダリストになっていたり、ロックバンドで世界的に有名になって超有名ロック歌手とつきあっていたり、氷河学者として研究していたり…。どの人生を体験しても、全てがパーフェクトというわけにはいっていない。そりゃそうだわな。でも完璧にこりゃだめだ、という設定があり、毎回図書館に戻ってくる。

それにしても、です。たとえ違う選択をしたとして、家族や親友が亡くなっているというのは、「普通は」ないのではないかと思う。そんなに身近な人が事故や自死で若くして死んでる人ってそんなにいない気がする。ないわけではないけれど、この人生ならあの人が死に、この人生ならこの人が死んでるって普通じゃない。普通じゃないからフィクション小説なんだろうけれど。
また、毎回ノーラはその人生の途中から急に参加するため、その場の人生設定を理解しておらず、周りの人に「どうしたの?変だよ」と言われるのだけれど、「ちょっとぼーっとしていたから…」など適当な理由でごまかす。オリンピックメダリストとしていきなり大勢の観客を前にスピーチをする場面も、即興スピーチで乗り切るけれど、さすがに原稿は用意してあったでしょ…と思ってしまう。こういういろんな「さすがにこうはならないでしょ…」が続いたため、私にはしっくりこなかったのだと思う。

死を考えている人でも最後まで読めば希望が持てる本、と多くのレビューに書いてある。確かに最後は希望で終わる。だからと言って「ものすごく」落ち込んでいる人に、「この本読んで元気を出して」という本ではない。私がそう言われて渡されたらお心遣いはありがたいが、ムカつくだろう。ちょっと落ち込んでいる人なら考えが変わっていいかもしれないが、生きるのが嫌になるほど落ち込んでいる人は、この本に限らず、本を読む前に医者に行って欲しい。

Goodreadsで7万人がこの本に投票したという。絶賛してる人多数。それなのにいまいちと感じてしまった私は英語力不足なのか、素直でないのか、日本文化に合わないのかわからない。集中できないで聴いていたところもあるので、返品しないでもう一度聴いてみようとは思う。

おすすめ度:★★★☆☆
すごく良かったという人に良かった点を聞いてみたい。